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石川善樹と考える「名刺」の問題点。どうすればビジネスは進化する?<アイデアを生む方程式(前編)>

石川善樹と考える「名刺」の問題点。どうすればビジネスは進化する?<アイデアを生む方程式(前編)>

2020年7月29日、オンラインイベントseek∞が開催された。セッションでは予防医学研究者の石川善樹氏が登場。「今こそ名刺の時代?アイデアを生む方程式」というテーマで清水俊宏(seek∞チーフビジョナリスト)とトークを繰り広げた。

 

そもそも名刺とは何か?

清水:新型コロナの影響で、様々なビジネスシーンが大きく変わっています。紙の名刺を直接交換するケースもかなり減りました。

私自身、かつて名刺でつながっていた人と連絡を取ってみたら、ビデオ会議とメールだけで一度も直接会うことなく契約書締結までつながったなんてケースがありました。

今後のビジネスシーンのあり方を考えるうえでまず石川さんに伺いたいのですが、そもそも「名刺」とは何ですか?

 

石川:「そもそも名刺って何ですか」という問いと、「そもそも名刺交換って何ですか?」という問いはちょっと違う気がするんですね。

名刺というのは、皆さんがイメージされるのは白い紙に黒いインクが乗っている、肩書きとか所属が載っているものですね。

ある意味、「名刺」というのは自分自身。「名刺交換」というのは、その人とその人が交流したという証なんです。

これまで、名刺交換をいっぱいすると自分の手元に名刺の束ができるわけです。数が少ないと管理ができるんですが、膨大な数の人と出会うと、どの人が誰でしたっけとわからなくなる問題があるんです。特に都市に住んでいると人との出会いって多いし、名刺の管理が難しすぎる。

もうひとつ問題があって、名刺の束から、限られた時間の中で誰と会ったらいいんですかと。

それを探すときに、ひとつポイントとなるのが、直接つながった人だけじゃなくて、その人がさらにどんな人とつながっているんだろうか。そこまで考慮して、人との出会いを考えるんです。面白くないですか?

石川善樹と考える「名刺」の問題点。どうすればビジネスは進化する?<アイデアを生む方程式(前編)>

清水:面白いですね。単なる紙の名刺だと、その名刺が誰とつながっているのかまではわかりませんが、オンライン名刺だとそれがわかるようになるということですか?

 

石川:オンライン名刺と言うか、名刺交換の軌跡をオンライン化した途端に、ビジネスにおける出会いのネットワークができるわけですよ。

ネットワークができると何が起きるかと言うと、「出会いのGPS」みたいなものが作れるんですよ。カーナビみたいなものですね。

僕は近い将来、「人ナビ」というものができるようになるんじゃないかなと思うんです。例えば、ポカーンと時間が空いて、ちょっと誰かに会いたいという時に「人ナビ」が、「今、あなたはこの人と改めてコンタクトを取るとイノベーションを起こる確率が高いです」と示してくれる。

出会いからイノベーションが生まれるのですが、全然知らない人とは出会いにくい。なので、ご縁があった人を辿っていくしかないじゃないですか。

でも、ご縁があった人の中でも特に誰がいいのかナビゲーションしてくれるシステムがないと、これだけ気軽に繋がれる時代になってくると情報量に埋もれちゃうところがあると思うんですよね。

今までは本でしか読むことができなかったデータがどんどんネットに上がるようになって Google という検索サービスが出てきて、僕らが知りたい情報にアクセスできるようになったように、名刺交換のデータがどんどんデジタル化することによって 僕らは効率的に目的に応じて会いたい人と会えるということだと思うんですよね。

 

清水:もしGoogleで検索したいワードが最新順に並んでいるだけだったら情報量が多すぎて役に立たないように、名刺も単にアイウエオ順に並んでいるだけだったら宝の持ち腐れで、オススメが出てくるのが必要なんですね。

 

石川:「福岡 うまい店」なんて入力すると、「あなたの知っている人の中で、この人が詳しく知っているよ」なんて出てきたりすると面白いですよね。「いまイノベーションの気分だなぁ」と思って「イノベーション」と入れると「はい、この人です」みたいな。

後編に続く)

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